「お小遣いもない。店に行っても売ってくれない。じゃ河原。」2019年03月20日(水)公開

「あれ、五丁目ラジオ最近配信されてないんじゃない?」と、思ってくれている人が世の中にどれくらいいるのかわかりませんが、今回の収録日は2019年2月21日(木)でした。と約1ヶ月更新がなかったわけですが、新聞ができたり、五丁目ラジオのBGMをまとめ売りしてみたりしていたので、案外本人たち以外は気にしていないかもしれない第19回目なのかもしれません。

そんな今回は、ツアー帰りのでちょっと眠い新井さんのヒューマン・ビートボックスからはじまり、新井さんが4月にアメリカに行く話や、あのビックネームも執筆している『五丁目新聞』最新号についての話を経て、最近上妻が研究していた米GIBSON社のSGについてのお話は、説明下手な上妻にしては上手にまとめられており、尊敬する大人の一人である岡田さんからThe Whoのlive at Leedsを聴いてちゃんと勉強しろと指導された話もしています。いずれ「五丁目ラジオ・リサーチ室」にアーカイブしたいともいます。

その流れでKPMのリーダー廣瀬さんが使うスタインバーガーなどにもみられるヴィンテージ機材が、パーツどりのために、個体が少なくなっている話などオープニングトークではしています。

そして、今回は上妻の関心ごとである

「日本の大手コンビニエンスストア企業3社が、18歳未満への販売が禁止されている成人向け雑誌の販売取りやめを相次いで発表した。日本では、今年9月にラグビーワールドカップが開幕するほか、2020年夏に東京オリンピック・パラリンピックを控え、多くの外国人観光客の訪問が見込まれている。」

という話題に対して、電気グルーヴとの出会いは『スーパー写真塾』であったとか、エッチな本は昔は河原にあったこと、そういう本は案外文化レベルが高いとかいう話をしながら、新井さんがツアーで手に入れた『月刊かえる』の内容とそのコストについて、割と真剣にお話しています。あれ?ひょっとして傑作回?!というような内容です!

【41分47秒あたりから】今回の「90年代のハードロックやヘヴィメタルを聴こうのコーナー」は…

今回の一枚は、ドイツのヘヴィメタルバンドU.D.O.の4枚目のスタジオアルバム、『タイムボム』です。日本では1991年5月21日にBMGビクターから発売されています。

ウドといえばプロモーターか、鈴木が一般的ですが、メタルキッズなら一度は聞いたことがあるであろう、アクセプトのヴォーカル:ウド・ダークシュナイダーが1987年に結成したバンドがU.D.O.です。

個人的な印象ですが、結局この後元サヤのアクセプトに復帰するわけですが、復帰後の2枚目のアルバム1994年発売の『デス・ロウ』の印象がとてもとても悪く、これまで積極的に聴こうと思わなかったわけですが、このアルバム『タイムボム』こんな機会じゃなと向き合えないと思い、取り組んでみようと思いました。

結果、このアルバムとてもいいです。1992年ごろに出会っていたら、これ毎日聴いてただろうなぁとか思ってしまいます。何がいいっていうと、ギターがいいです。マティアス・ディートさんの弾くギターは、ジャーマンメタル寄りではなく、イングヴェイ寄りのネオクラシカル路線なのですが、弾きすぎない感じが食い足りなさを感じさせつつも、これを良いと思わせるのは結構至難の技ではないかと思います。ネットで検索するとジューダス・プリーストのペインキラーがリファレンスとして紹介されていますが、そういう文脈で理解はできるけれど、こちらの方がより野暮ったいというか、ダサい感じがします。

バーンのレビューをまとめると、

「ウド・ダークシュナイダー個人の基本姿勢は4枚目の本作にも脈々と流れていて、特に7などは上級のパワーメタルに仕上がっている」(酒井 81)

「”HMをルーツとするHM”であり、クオリティと攻撃性を併せ持つ作品としては、最上級に近いものだと言える。(中略)”意地にも似た気迫”……これは彼らにとっての「painkiller」なのかもしれない。」(増田 90)

「明らかに「painkiller」を意識したハード&ヘヴィな本作は、ドイツのことなんか忘れて世界に飛び出すにふさわしい強力盤に仕上がった。」(広瀬 94)

「ACCEPTというひとつの様式によりかかりきることなくウドを主役の座に再び押し上げる、文字通りの”力作”だ。」(平野 91)

という感じです。

プロデューサーは、アクセプトのドラマーとしてウドと長年活動を共にしたステファン・カウフマン。と今調べていて驚いたのは、カウフマンが元ドラマーだったことで、1989年頃からカウフマンが激しいドラミングと長年のツアーから背骨の異常をきたし活動不能になり、プロデューサーに転向、その後1994年のアクセプトの再結成ではドラムに復帰するものの再度の体調悪化のためにバンドを離脱。1997年、ウドとステファン・カウフマンを中心にU.D.O.としての活動を再開した時にはギタリストとしてバンドに参加しました。

1991年の5月日本では、 Mi-Ke[2ndシングル] 『好きさ好きさ好きさ』 、 観月ありさ[1stシングル] 『伝説の少女』 、 小泉今日子[32ndシングル] 『あなたに会えてよかった』 、TM NETWORK[25thシングル] 『Love Train/We love the EARTH』などがリリースされました。

番組内で『あなたに会えてよかった』の作曲者は誰だという話で、上妻が適当に阿久悠とか言ってますが、作詞は小泉今日子さん、作曲・編曲は小林武史さんでした。ちなみに『伝説の少女』は作詞・作曲が尾崎亜美(編曲:佐藤準)さんでした。じゃあ、『好きさ好きさ好きさ』は?というと、イギリスのロックバンド:ゾンビーズ(The Zombies)のシングル「お好きな時に(Whenever You’re Ready)」のB面曲でしたという発見がありました。

ゾンビーズ『好きさ好きさ好きさ』

観月ありさ『伝説の少女』

小泉今日子 『あなたに会えてよかった』

https://youtu.be/10VMVBAKBcM