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五丁目ラジオ2日曜サンデー<15時台>「鯨と人間、あるいは正義という名の集金システム」
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第136回と同日収録の続きです。
前回が「150円の風呂とリック・ドム」だったとすれば、今回はそこから一段深く潜って、鯨問題、メタル、PA、うなぎ、政治、文楽、そして正義の商売化まで行ってしまう回です。
話の始まりは、ライブ後の活動限界。
ビールを一口飲んで、ようやくエントリープラグが抜けた身体に電源が戻ってくる。そういう疲労感のなかで、なぜか唱えられる「ベントラ・ベントラ」。疲れている人間の話は、だいたい宇宙人を呼ぶところから始まるのかもしれません。
オープニング
オープニングでは、ライブ後の虚脱感、活動限界、そして音をめぐる信頼の話へ。
ライブ後の一杯でようやく身体が戻ってくる感覚を、エヴァの内蔵電源みたいに語りながら、話はヘビーメタルと「耳利き」の問題に向かっていきます。
ポイントになるのは、日本が誇るPAエンジニア・内田直之さんの存在です。
ライブ中の即興的なダブミックス、音の飛ばし方、そしてスレイヤー『サウス・オブ・ヘブン』への評価。「あの人が言うなら聴いてみよう」と思わせる耳の信頼が、ここではかなり重要な話として出てきます。
情報が多すぎる時代に、結局頼りになるのは、検索順位でもおすすめ欄でもなく、「この人の耳なら信用できる」という身体感覚なのかもしれません。
スレイヤーの暴力的な音像が、実はものすごく精密に作られているという話は、浦和の中村屋の二段うなぎみたいなものです。開けたら上にうなぎ、掘ったら下にもいる。暴力と贅沢は、たまに同じ顔をします。
オープニング・キーワード
- 同日収録
- ライブ後の活動限界
- エヴァンゲリオン
- アンビリカルケーブル
- ビール
- ベントラ・ベントラ
- ヘビーメタル・シンジケート
- BURRN!
- PAエンジニア
- 内田直之
- ダブミックス
- スレイヤー
- South of Heaven
- 耳利き
- 目利き
- 浦和中村屋
- 二段うなぎ
今日の士郎:『美味しんぼ』アニメ第27話「激闘鯨合戦(後編)」【新井ターン】
今回の『美味しんぼ』コーナーは、「激闘鯨合戦」の続きです。
前回は、鯨を食べる文化と動物愛護の正義が正面衝突するところまででしたが、今回はその裏側にある、もっと生臭い構造が見えてきます。
登場するのは、反捕鯨団体「クジラ十字軍」。
一見すると、鯨を守るための正義の団体に見えるわけですが、その副会長ワット氏は、高級ホテルでシャンパンを飲みながら、鯨は資金集めの看板にすぎないと語ります。日本を野蛮だと叩くことで、欧米から金が集まる。つまりここで描かれているのは、正義そのものではなく、「正義が集金装置になる瞬間」なんですよね。
もちろん、これはかなり極端な描き方です。けれど、少しひねくれた見方をすれば、現代のSNS的な炎上ビジネスにも通じる話です。わかりやすい悪者を作り、怒りを集め、支持と資金を動かす。鯨は鯨である前に、運動のシンボルにされてしまう。
そこへ、角丸副総理と海原雄山が関わってきます。
文楽の人形に使われる鯨の髭。日本の伝統文化と鯨との関係。エスキモーには捕鯨を認めながら、日本の捕鯨は野蛮だとする論理の不均衡。ここで『美味しんぼ』は、食文化の話から、国際政治と文化の尊厳の話へと一気に広げていきます。
ただし、ここで面白いのは、『美味しんぼ』が単純に「日本は正しい」とだけ言っているわけでもないところです。
鯨をめぐる正義のぶつかり合いのなかで、文化を守る側も、環境を守る側も、それぞれに権力や欲望や面子を背負ってしまう。正義はきれいな顔をして登場しますが、裏に回ると、だいたい財布と名誉と支配欲が座っています。位置どりが決めにくい、三人掛けソファです。
今日の士郎:『美味しんぼ』アニメ第27話「激闘鯨合戦(後編)」・キーワード
- 美味しんぼ
- 激闘鯨合戦
- 鯨問題
- 捕鯨
- 反捕鯨団体
- クジラ十字軍
- ワット氏
- ジェフ
- 角丸副総理
- 海原雄山
- 文楽
- 鯨の髭
- 動物愛護
- 食文化
- 国際政治
- 文化相対主義
- 資源保護
- 正義の集金システム
- シンボリックな対立
- ピラニアの水槽
- 日本叩き
- エスキモー捕鯨
- 大きな虫と小さな虫
エンディング
エンディングでは、「今日の士郎」シリーズと、五丁目ラジオそのものの立ち位置へ話が戻っていきます。
スレイヤーを聴いて驚き、二段うなぎに喜び、鯨問題の政治性に腹を立てる。そういう一見ばらばらな話が、実は全部「何を信じるか」「誰の目利きに乗るか」という問題につながっているんですよね。
「今日の士郎」は、単なる『美味しんぼ』感想ではなく、食と正義と昭和的な面倒くささを掘り起こす文化アーカイブでもあります。関西でZINEが好評だったという話も、ただ売れたというより、まだどこかに山岡士郎的な偏屈さを求めている人がいる、ということなのかもしれません。
大人になっても、私たちは案外ずっと放課後の部室にいる。
メタルの音、ラジオのノイズ、マンガの一コマ、政治家の変な啖呵、うなぎの湯気。そういうものを持ち寄って、「これって何だったんですかね」と話し続ける場所が、五丁目ラジオなのだと思います。
第137回は、鯨問題の解決編でありながら、正義がいかに商売になり、文化がいかに政治の道具になり、それでも人はなぜ「信頼できる耳」を探してしまうのかを考える回です。
重い話のはずなのに、最後はどこか放課後っぽい。そこが、まあ、五丁目ラジオなのかもしれません。
エンディング・キーワード
- 今日の士郎
- 五丁目ラジオ
- 放課後の部室
- 文化アーカイブ
- 昭和50年代生まれ
- 耳の信頼
- 目利き
- 関西で好評
- ZINE
- 士郎の沼
- 食と正義
- 日本の感性
- サブカルと文化人類学
- 終わらない放課後
- ごきげんよう
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